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2013年06月03日

イリオモテのターザン

イリオモテのターザン
面白い本を読みました。
著者は水田耕平氏。
1941年生まれで兵庫県明石出身の、元中学校の美術の先生です。
50歳位の頃に、2年間学校を離れ、大学院に通い修士論文を書いていました。
富岡鉄斎論に取り組んでいた著者は、無為という境地にとても興味を覚えました。
ジャングルに身を置いてみたら、少しは理解できるかもしれないと、キャンプ道具を担ぎ、突然、西表島へ旅立つところから、この物語は始まります。

一人で誰もいない場所でキャンプ生活するつもりが、恵勇爺というウダラ浜に住む老人と短い共同生活をすることになる。
恵勇爺は、長年、小屋を手作りしてウダラ浜に一人で住み、自給自足に近い生活をしている老人だ。
西表島では、島民にも愛されけっこう有名な人だったようです。

ウダラ浜は、西表島の白浜という道の終点から、定期船に乗り、船浮へ。
さらに船浮から、舟をチャーターするなりして行くことのできる、網取湾のウダラ川河口に位置する小さな入り江にある浜です。
人は住んでなく、自然のままの浜が広がっている。

何もないけれど、実は本当に必要なものは酒以外何でもそろってる浜だ。
泡盛を飲みながら1日中、海を見ながら風を感じながら、自然に逆らわない生活を共にしていく。
恵勇爺の生き方に感動した著者が、爺との会話を丁寧にこの本で書いています。

恵勇爺は、今は天国に行ってしまったけれど、著者は教師を退職した後も、毎年1、2ヶ月の西表島のキャンプを楽しんでいらっしゃるそうです。

イリオモテのターザン
写真はウダラ浜ではなく、西表島の星砂の浜



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Posted by おきなべ at 08:06│Comments(6)西表島沖縄本・映画
この記事へのコメント
降りかかってくる全てのことを受け入れて
それに逆らわず生きることが出来たなら
どれだけ心穏やかにいられるでしょう。
わかっていながら、もがいてもがいて
あっちこっちぶつかりながら生きています。

悟りの境地に達した人はそんな生き方出来るのかな。
Posted by アン at 2013年06月03日 12:43
アンさん
恵勇爺は、もうそろそろいいやと思って、ウダタ浜での生活を始めたみたいだよ。
心穏やかに過ごされたようです。
そういう境地には一生なれないと思うけど、キャンプしたい。
沖縄でキャンプしたいなあ。
Posted by おきなべおきなべ at 2013年06月03日 17:27
おきなべさん
貴重なお話、ありがとうございます。

世間のしがらみから離れ、自然にまかせて
生きたいように生きることが出来る境地に
なれるのは、並みの人ではありませんね。

恵勇爺の生き方に共鳴なさった著者も、
スゴイ方だと思います。本を読みたくなりました。
Posted by うえじょう さくらうえじょう さくら at 2013年06月04日 15:01
うえじょうさくらさん
恵勇爺、並の人じゃない。
生きたいように生きるって、できるもんじゃない。
でも、恵勇爺は、そんな生き方したようです。
著者も、面白い人です。50で、迷って西表島へキャンプ行くなんて、並じゃできない。
この本、お勧めです。
Posted by おきなべおきなべ at 2013年06月04日 16:30
現代版、タラマモーシー(多良間真牛)と同じような話ですね。
モーシーは鱶に助けられてフスマ(黒島)にかえりますが。
Posted by おきなわのオジイおきなわのオジイ at 2013年06月04日 20:46
おきなわのオジィさん
多良間真牛の民話、前回の八重山の旅で始めて知りました。
鱶に助けられた話し。実在した人だって聞きました。
不思議な話しですよね。

恵勇爺は、宮古島出身だけど、帰りたいとは思わなかったようです。
ウダラ浜で、亡くなりました。
Posted by おきなべおきなべ at 2013年06月04日 21:04
 
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