カメジロウの遺言を読んだ。
著者は亀次郎さんの長女の瀬長瞳さん。
亀次郎さんが亡くなって、もう10年が経つ。
オスプレイが好き勝手に飛びかい、米兵の事件、それを利用した辺野古埋め立てによる新基地への強まる動き。
このような状況をカメジロウさんは、天から、海の彼方からどんな思いで見ていることだろう。
この本の中で、復帰前のことを詳しく知ることできました。
宜野湾の伊佐浜が銃剣やブルドーザーによって強制接収された経緯です。
優良な田が拡がっていた場所に、二期米の植え付けをしてはいけないという達しがあった。
部落の人達には、蚊が発生して脳炎が充満するのを防ぐためだと説明がある。
翌年、立ち退き命令が出て、強制撤収によって土地を奪われる。
真相は、農作物を植えなければ、農作物の補償もしないですむし、田んぼの水がなければ地固めも容易ということでした。
亀次郎さんは、叫んだ。
『私は米軍が一番きらいだ。連中は嘘ばかりついている。沖縄は米軍に支配され苦しめられてきた。毒ガスを持ち込んだり県民の命を虫けらのように扱ってきた。こんな連中を好きになれと言っても無理だ。』
米軍が嘘ばかりついているのは今も何も変わらないし、日本の政治家が今はもっとひどい嘘をつくようになってしまった。
『1リットルの水も一握りの砂も一坪の土地もアメリカのものではない。空気は我々がただで吸わせている。そのうえ、今回の新たな土地強奪である。我々は対非服従運動を起こさねばならない。』
『紺碧の空、海を返せ、沖縄の大地は再び戦場になることを拒否する。』
ヤンキーゴーホームと国会で述べることができるような反骨不屈の政治家は今の日本にいるだろうか。
信念も何もない口だけ達者なエラそうな志士気取りの政治屋が薄っぺらに見えてくる。
『この瀬長一人が叫んだならば、50m先まで聞こえます。ここに集まった人々が声を揃えて叫んだならば、全那覇市民まで聞こえます。沖縄の70万県民が声を揃えて叫んだならば、太平洋の荒波越えてワシントンの政府を動かすことができます。』
というかつての演説がありました。
100万県民の声はもう本土には十分届いている。
あとは、僕たち本土の人間も叫ばないと届かない。
亀次郎さんの資料館不屈館が来年3月、那覇の若狭海浜公園むかいに開館するそうです。
記事の内容
「民衆のために闘った瀬長亀次郎
「民衆のために闘った瀬長亀次郎を民衆の手で支えていきたい」。米統治下に投獄や被選挙権剥奪などの弾圧を受けながらも、圧政に対する抵抗運動の先頭に立った政治家・瀬長亀次郎さん(1907~2001年)の足跡を残そうと、瀬長さんの資料館「不屈館-瀬長亀次郎と民衆資料-」が来年3月1日、那覇市若狭に開館する。次女の内村千尋さんら運営委員会が28日、資料館で記者会見し、資料や写真の提供、寄付、会員加入を呼び掛けた。
資料館には瀬長さんの生い立ちから国会議員勇退までの一連の活動を年史としてパネルで紹介する。このほか、瀬長さんがちゃぶ台で毎日勉強していた当時の和室を復元するなど、瀬長さんの生涯を分かりやすく伝えるよう工夫が凝らされる。
瀬長さんは約200冊の日記のほか、8千冊を超える蔵書、新聞記事のスクラップ帳約800冊など、数多くの資料を残している。この中から米統治下に米軍によって発行と閲覧が禁止になった書籍など貴重な資料を展示する予定。
入館料は大人500円、高校大学生300円。同館は「不屈館友の会」の会費で維持、管理することにしている。当面の資金確保として1千万円を目指しており、同館では年間3千円の賛助会員、年間5千円の維持会員を募っている。会員になると入館無料となり、ニュースが送付され、維持会員はさらに同館で販売される書籍、物品が割引となる。
内村さんは「県内外の人達に足を運んでもらって、沖縄闘争を継承していきたい。県民の闘いの象徴がこの資料館に集まればいい」と話す。資料の提供や寄付などの問い合わせは不屈館開館準備室事務局(電話)098(886)0277。