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2018年12月20日

オキナワの少年ー東峰夫の世界ー

東峰夫さんの著書を図書館でまとめて借りて読んだ。
東峰夫という名前はペンネームで、本名は東恩納常夫さん。

昭和13年フィリピン、ミンダナオ島生まれで、終戦で帰国、その後父祖の地である沖縄へ移住しコザに住んでコザ高校に通っていたそうだ。
オキナワの少年は1971年に芥川賞と文學界新人賞を受賞した作品。

少年の見たコザの生活や基地周辺の出来事が、原体験を通して描かれていた。
終戦直後のウチナーグチの会話文が多いのが特徴だ。
米軍基地の実情や、年上の女性への恋心、この街を出たくロビンソンクルーソーを読んだ少年は、無人島へ憧れを持っていく。
とてもいい作品だと思った。
オキナワの少年ー東峰夫の世界ー



ちゅらぁかあぎ
1976年の作品。
私小説で、東さんが集団就職で上京し、製本屋で住み込みで働きながら、作家を目指してる時代のことを書かれていた。
執筆のための精神的余裕や時間がとれないため、仕事をやめ浮浪者となり路上生活を送ったことなど、沖縄と東京を交錯させながらの作品。
オキナワの少年ー東峰夫の世界ー



ママはノースカロライナにいる
ガードマン哀歌との2篇。
2002、3年の作品
20年以上の空白期間を経ての作品。
芥川賞受賞後、沖縄の日米混血女性と結婚し、沖縄へ帰郷。
スナック経営する妻の元で、主夫生活しながら、文学を目指すもまったく原稿の注文がない。
妻子を沖縄に残し、再び上京し、ガードマンをし、一人暮らしをしながらの生活。
結婚、離婚、沖縄、東京、文筆の苦悩。
作家とはたいへんな職業だ。
波乱万丈の世界。
オキナワの少年ー東峰夫の世界ー



貧の達人
2004年の作品。
作品として書籍になったのが、これが最後の作品だと思う。
現在も現代の神話シリーズを執筆中らしいが。

たま出版という特異な出版社でのエッセイ。
とても特異なエッセイで、前半は面白く読めたが、後半は宗教、宇宙、など僕には理解を超えた内容。
とても個性的な方だ。
オキナワの少年ー東峰夫の世界ー



ふと、本を書きながら、サックスで路上ライブで生計をたて、数年前に亡くなった博多の友人、S君のことを思い出した。


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Posted by おきなべ at 08:37│Comments(2)沖縄本・映画
この記事へのコメント
「オキナワの少年」を、高校生の頃、読んだ記憶があります。少年が「ベッド」を貸す?場面などがあって、
親が、やはり米兵相手のレストランを経営していた友人に、その辺を話したら、いろいろな商売があるんだよと、大人びた返答があったりして、彼女は元気かなと思い出しました。
今でも気になっている事は、芥川賞の審査員の一人が、最後の場面を、無人島にではなくて、「本土」にすれば、もっと良かったですよね、と発言していたのには、高校生の私には、ふーんと少しいぶかしく感じたのを思い出しました。それにしても、おきなべさんとこの、図書館は充実してる。
Posted by 赤シーサー at 2018年12月27日 10:09
赤シーサーさん
そうそう。
小学生の子供が、自分のベッドを娼婦に貸さないといけない場面から物語は始まります。
最後の場面が本土では、この小説が死んでしまう。あれでいいのだ。

地元の図書館は7つあって、ネットでどこからでも借りられて、近くの図書館に持ってきてもらえるので、とても便利。
最近は本を買うより、借りて読むことが多くなってます。
図書館が自分の書斎って思えば、場所もお金もいらない。
Posted by おきなべおきなべ at 2018年12月28日 08:26
 
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