辺野古に基地はつくれない

おきなべ

2018年10月14日 18:35

岩波ブックレットから2018年9月26日発行の”辺野古に基地はつくれない”を読んだ。
山城博治さんと、北上田毅さんによる共著。
62ページ520円。

北上田さんは、元土木技術者で、現在の工事の進捗状況について解説されていた。
これを読むと、工事が実は進んでいないことがわかる。
水深が浅く、簡単にできる辺野古側での護岸工事だけで、工事の進捗を見せつけて、諦めを誘うものであろうと述べられていた。

大浦湾には危険な活断層が存在していることも指摘されている。
このような活断層の上に、大量の燃料、弾薬や化学物質を置く軍事施設を建設したらどうなるのか。

これは埋立承認の撤回の事由の1つで、深い大浦湾を地盤改良するために、どれだけ長い年数を要するのか見当もつかないと翁長知事は述べられていた。
軟弱地盤改良工事が技術的に、費用も含めて可能なのかという問題もある。
仮に可能としても、当初10年かかると言われた工事が、その何倍もかかるかもしれなく、環境破壊を大幅に増やす。

それまで、普天間飛行場はずっと残り続ける。
また、辺野古に新基地ができたとしても、滑走路が短いために、固定翼機の訓練や緊急時使用できる民間施設の使用が返還条件の1つにもあげられている。
つまりは那覇空港だ。
那覇空港を米軍に使用させなければ、普天間基地の返還はないといういうのだ。
危険除去のために辺野古埋立が必要という根拠が根本から否定されている。
これが、政府の言う沖縄の基地負担の軽減だ。

そのほか、飛行場周辺の高さ制限問題や、県外からの埋立土砂搬入による外来生物の問題点も詳しく解説されていた。

山城博治さんは、現場からの報告と、山城さんの心のこもった想いが書かれていた。

海上から見ていると、心が苦しくなる光景が広がる。
目の前で、青い、美しい海にがらがらと音を立てて、ダンプトラックとクレーンから大量の砕石が落とされ、それを次々に固めて護岸を作っていく。
この砂浜や浅瀬にいた生き物たちは、どうすればいいのだろう。
このような時ばかりは、どうしてもマイクをとることができない。
苦しい気持ち、悲しみが大きいと、言葉を出すことができない。

私たちは非暴力だけれども、決して後に退かない。将来の沖縄を生きる世代に、基地のないか沖縄を残すとともに、自分たちの運命は自分たちで決めていくという沖縄人の気概を残したい。
豊かな自然や観光資源によってアジア諸国とともに繁栄していく沖縄、翁長知事と私たちが共有した未来の沖縄の姿、もうすぐそこに見えつつあるのだ



このような言葉で締めくくれていました。



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